チベット (16)「おはよう」と言うとピョコりと頭を下げる。
俺はこの店の痩せこけた若い兄ち
ゃんと仲良くなっていた。
でも言葉があまり通じないの
で込み入った話はできない、
どこから来て何人兄弟がいるとか
まーいい今俺の部屋で喋っている。
話題があまり見つからないので
俺は日本から持って来た
スイス製のナイフを見せた
ハサミやノコギリ、プラスドライバー
いろんなものが、ついてい
る
若い兄ちゃんは凄い凄いと言う
感じで目を輝かせていた。
俺は見せるだけで鞄にしまった。痩
せこけた兄ちゃんは
しばらくすると部屋から出ていき、
俺は部屋の鍵を閉め外室した。街探索だ
本当に何にもない あるのはチベット風の家ばかり、
店もないないのんびりした村って感じだ
俺は息よいよく走ってみた10メーター
走ったら息切れした。
村をあちこち歩いた後、昼ごは
んを
食べるため、宿の食堂に向かった
その時事件が起こった。
と言うのは食堂に入った時若い兄ち
ゃんが
座っていて 手には俺のスイス製のナイフ
俺の部屋の鍵を開け鞄の中から持って来たみたい
だった。
俺は唖然とした。
食堂のおっさんもなんか気まずい顔おをした。
日本で言う泥棒だ。でもこの
20ぐらいの痩せこけた
兄ちゃんは悪気はなさそう、
ただ触りたかった
まるで子供のようだった。